あなたは、ひな祭りのお祝いにどんなお寿司を食べていましたか?
ちらし寿司、それとも五目寿司、はたまた別のお寿司でしたか?
実は、ちらし寿司と五目寿司には明確な違いがあるのですが、それは関東のお話。関西では、また違うとらえられ方をしています。
更に岡山より西では、ちらし寿司でも五目寿司でもなく、ばら寿司という名称が出てきます。
そこで、その3つの寿司の違いをご紹介するとともに、ひな祭りに食べるべきお寿司は何なのか?由来を考えてみたいと思います。
あなたが信じてきた寿司のとらえ方が、実は土地独自のものだったことに気付くかもしれませんよ。
ひな祭りで食べるのはちらし寿司?それとも五目寿司?違いを解説!Sponsored Link
五目寿司とちらし寿司の違いは?
まずは、それぞれちらし寿司と五目寿司について詳しくご紹介した後に、簡単にその違いについてお話ししたいと思います。
五目寿司とは?
酢飯に椎茸、人参、かんびょう、レンコン等の具材を混ぜ込み、上に錦糸玉子や穴子、エビ等を盛り付けた寿司のことを指します。
地域や家庭により、具材に違いがあり、バリエーションも豊かです。
また、五目ちらし、混ぜ寿司、ばらチラシ等の別名もあります。
ちらし寿司とは?
こちらは、地域によってとらえられ方が大きく違います。
まず関東では、江戸前寿司の流れを汲んでいます。具体的には、容器に酢飯を盛り付け、その上に握り寿司のネタを乗せた寿司のことを言います。
ネタを握らず、「ちらす」ことから、この名が付けられました。ですから、具材は主に魚介類です。
また、酢飯を白米に替えると、海鮮丼という呼び名になります。
ただ関東以外では、五目寿司はちらし寿司の別名に過ぎず、酢飯に具材を混ぜ込み、上に錦糸玉子や海苔等を乗せた寿司のことを言います。
五目寿司とちらし寿司の違いを簡潔に言うと?
関東においては、五目ちらしは酢飯に主に野菜の具材を「混ぜ込んだ」寿司であり、ちらし寿司は主に魚介類の具材を、上に「ちらした(乗せた)」寿司のことを言います。
ただ、それ以外の地域では、五目寿司とちらし寿司に明確な違いはなく、同じ寿司を表しています。
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ばら寿司とは?
江戸初期に、今でいう岡山県で発祥したお寿司です。
当時、大洪水に見舞われ、早い復興を願った、ときの藩主・池田光政が「一汁一菜令」を出し、質素倹約を推奨しました。
ただ、祝いの席では、味気なかったので、ご飯に具材を混ぜ混むことで、一菜と見せ掛けたことが始まりです。
具体的には、酢飯に多種の魚介類や野菜を混ぜ込んだお寿司で、かなり豪華なものでした。
名称の由来ですが。関西より西では、当時、寿司といえば太巻きでした。その太巻きを「ばらした(方言で、『解体する』の意味です。)」ような寿司だったため、この名が付けられました。
ひな祭りで食べるのは五目寿司?それともちらし寿司?
ひな祭りは、女の子という子供のお祝いであることから、江戸前の握り寿司のネタである生魚を上に乗せた「ちらし寿司」ではなく、酢飯に野菜などを混ぜ込んだ「五目寿司」が最適と考えられてきました。
ただ、これは関東の区別に基づくもので、それ以外の地域では、先にお話しした通り、ちらし寿司と五目寿司は同じ意味合いで使っています。
ただ単に名称の違いに過ぎませんので、どちらを食べるということはありませんよね。
なぜひな祭りにちらし寿司や五目寿司を食べるの?その由来は?
かつては、ひな祭りのお祝いには、なれ寿司が食べられていました。
かなりクセのあるものだったことから、江戸に入り、次第に馴染みやすい、ちらし寿司や五目寿司といったものに変化していきました。
では、その由来は?と聞かれると、残念ながら、明確な答えがありません。
ただ昔から寿司は、字面からもお分かりの通り、縁起の良い食べ物と言われてきました。
そこで、ひな祭りという祝いの席にも相応しいと、食べられるようになったと考えられます。
また、五目寿司(ちらし寿司)に混ぜ込まれている具材が縁起の良いものだったため、食べられるようになったという説もあります。
特にエビ、レンコン、豆には意味があり、それぞれ長生き、見通しがきく、健康でまめに働けることを表しています。
更に、上に飾る菜の花や三つ葉、錦糸玉子、人参等が華やかな彩りを添え、ひな祭りの季節にぴったり合っているからとも考えられます。
また、五目寿司(ちらし寿司)には、親が子の幸せを思う気持ちが込められており、具体的に、
季節の変わり目にバランス良く食べられるので、健康が保てる。
大人になっても食べ物に困らず、幸せ暮らせる。
といったことを意味していると言われています。それにあやかって、食べられるようになったのかもしれませんね。
まとめ
地域により、ひな祭りのお祝いで食べられるお寿司の名称がちらし寿司だったり、五目寿司だったり、ばら寿司だったりと違っていることが、お分かりになったと思います。
どれも、酢飯に野菜などを混ぜ込んだ寿司であることは変わりがありません。
また、明確な由来は残っていませんが、親が子の幸せを思う気持ちがこめられていることだけは、確かだと思います。
次のひな祭りは、そんな思いを感じながら、大切にお寿司をいただきたいものですね。
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