日々の生活の中で何気なく使っている言葉、そんな言葉について詳しく知っているかと言うと...意味はおぼろげな状態で使っていたりしませんか?
そんな言葉の意味をしっかり確認してみると、今までとは違った見方が出来る事が有ります。
例えば、「障子」と「襖」について自信を持って説明できますか?
最近は住宅事情の変化から「障子」や「襖」を使う頻度が減ってきていますが、とても工夫された物なんです。
どちら共「建具(たてぐ)」の中の一つになります、そんな「建具」は住宅の出入り口などの「開口部」に取り付ける仕切りの名前です。
外と内を仕切って風や雨を避けたり、室内を仕切る事で部屋を作ったり、収納場所を確保する事が出来ます。そう聞くと「建具」無しに自分たちの暮らしは成り立たない事が分かりますよね。
そんな「建具」の中から、「障子」と「襖」についてご紹介しようと思います。
障子に穴が開いてしまった!目立たなくする方法ってないの?
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障子とは?
「建具」の一種である「障子」。
元々は窓や部屋の開口部といった場所にはめて引き戸で開け閉めする物全てを指していましたが、現在では、桟(木の骨組み)に和紙などを挟んで明りを確保した物を「障子」と呼びます。
「障子」には幾つかの種類があり、桟と和紙以外にガラスを組み合わせた物や、腰から下は板のみ使っている物など用途に応じて使い分けられています。
室内に明りを取り込むことが出来る上に、室温を保つ保温効果も期待できます。
襖とは?
「建具」の一種である「襖」、元々は「襖障子」とも呼ばれ障子の一種として扱われる事もあったようです。
木で骨組みしたものに和紙や布を張った、引き戸式のものを指します。この「襖」、とても手間と時間が掛かる造りになっているんです。
木で骨組みした物に、下張りという和紙を数回張る作業を繰り返し、表紙(和紙や布)を張って仕上げてあります。
この造り方を聞いただけでも、今まで何気なく見ていた「襖」に対する考え方が変わりませんか?
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障子と襖の違いを簡単に説明すると?
「障子」と「襖」の違いですが、「障子」は“障”の意味「防ぎ、隔てにするもの。つみ・あぜ・とりで・ついたて等」と有るように、視線を遮る仕組みを持つ「建具」となります。
その一方で「襖」は平安時代の頃に御所の寝所の間仕切りとして使われたのが始まりになります。
このように「障子」は明りを確保しつつ視線を遮る目的、「襖」は寝る場所を間仕切る(個室化する)目的で始まったように、目指す目的が異なっています。
見分け方は「明りを遮らない物を障子」、「明りを遮り、間仕切る物は襖」になります。
日本の気候と風土に合った障子と襖
それぞれ目的は異なりますが、どちらも日本の気候と風土に合った機能を持っている事はご存知ですか?
使用される和紙は空気中の湿度を吸収してくれるので、湿度の高い季節は除湿効果が期待できますし、湿度の低い季節は和紙中の水分による加湿効果も期待できます。
なかでも「障子」は暑い日差しを遮ると共に室内へ明るさを取り込みつつ、外気を遮る効果も兼ねるので「夏涼しく、冬暖かく」を実現してくれます。
また「襖」は、何枚もの下張りを経ているので表面・裏面の間にある空気の層が外気の影響を防いでくれますし、「障子」同様に使用された和紙による調湿効果が期待できます。
古くは、平安時代の頃より使われてきたと言われる「障子」と「襖」。
沢山の機能を持っている事や、単に実用的と言うだけでなく使用する和紙に拘ったり、絵を施して見た目を楽しませたりしていた事を考えると、とても貴重な物と思えてきますよね。
あとがき
「障子」と「襖」の違いについて説明しましたが、いかがでしたか?
最近の住宅事情から使用頻度が少なくなりつつある「障子」と「襖」ですが、古くからの知恵と工夫が盛り込まれている事が分かりますよね。
歴史ある「障子」と「襖」、すたれる事が無いように効果的に活用し続けたいものですね。
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