「やよいひめといういちごの品種をご存知ですか?」
いちご通の方なら聞いたことある品種かもしれませんが、殆どの方はいちごの品種なんて数えるほどしか知らないと思います。主に「とちおとめ」「あまおう」「女峰」「とよのか」などではないでしょうか?
最近は高級いちごブームです。色んな県がご当地のブランドいちごの地位を確立しようと新しい品種を開発しているいちご戦国時代だったりします。
その中から勝ち上がる品種、負けてしまいそのまま忘れ去ってしまう品種たくさんあると思います。
今回紹介するやよいひめといういちごはいちご戦国時代に負けかけている品種と言えるでしょう。
このままやよいひめは消えてしまうのか、そう危惧した開発者が取った行動とは?
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やよいひめとは?
やよいひめは「とねほっぺ」と「とちおとめ」の交配種にさらに「とねほっぺ」を交配させた品種です。
親は「とねほっぺ」「とちおとめ」ということになると思います。とねほっぺを二重に交配していることからとねほっぺの特性を色濃く受け継いでいる品種と言えるでしょう。
やよいひめはどこの県のいちご?
「やよいひめ」という名前自体に地名や県を想像するワードはありません。しかし親が「とねほっぺ」ということで利根がヒントだと思います。
私は関東に住んでいるので利根といえば利根川を思い出します。利根川が流れている流域は群馬県、茨城県、栃木県、埼玉県を想像します。他にも東京都や千葉県、長野県も流域なのですが、あまり印象に残りません。
答えは群馬県でした。
利根川の源流は群馬県なのでそう考えれば答えに辿り着きますね。
ちなみに群馬県でしか栽培してはいけないことはなく、他県でも栽培しているところはあるようです。
やよいひめの名前の由来は?
「何でやよいひめ何ていう名前にしたのだろうか?」
いちごの品種の命名由来はパターン化されていることが多いです。主に「姫」「娘」など女性を意識する言葉を最後に付ける傾向があります。
やよいひめも「姫」という女性を想像する言葉を付けていますね。では「やよい」はどこから来たのでしょうか?それはこの品種の特性に命名理由があるみたいです。
いちごの旬は1月・2月です。3月になると気温が暖かくなってしまい、糖度が少し低くなり苗が痩せてしまい小粒のいちごができてしまいます。
しかしこのやよいひめは3月になっても相変わらず旬の時期に負けないぐらいの美味しさを保つことができます。
3月と言えば「弥生」。「3月でも美味しいいちごだよ」という意味合いを込めてこの名前にしたそうです。
やよいひめの特徴は?
味の特徴は糖度と酸度が調和したタイプのいちごです。イメージ的にはとちおとめに似ている方向性でしょうか?
- やよいひめ:糖度9.4% 酸度0.75 大きさ18g
- とちおとめ:糖度9.3% 酸度0.67 大きさ14.5g
- あまおう :糖度9.9% 酸度0.74 大きさ15.5g
糖度はとちおとめよりも高いですが、酸度が高いためとちおとめの方が甘く感じる人は多いと思います。
なのでやよいひめは酸っぱくてまずいという感想を持つ人もいますが、私のようにいちごの酸味が好物の人からするとおいしいいちごになります。
「やよいひめはおいしいのか?まずいのか?」
いちごの好みは人それぞれですので明確な答えは出ませんね。
果肉は硬くて粒が大きい
果肉は結構硬いため、輸送に強くいちごの中では日持ちする品種です。大きくて硬いたべ食べごたえを感じることが多いいちごだと思います。
やよいひめの旬の時期は?
命名由来の時にも説明しましたがやよいひめの旬は1月-3月です。
「1月・2月に食べると他の品種に負けているな」と感じることはあるでしょうが、3月に他の品種と比べてみると「あれ?やよいひめの方が美味しいぞ?」と思う可能性があります。
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やよいひめはいちご戦国時代に負けつつある品種
昨今のいちご戦国時代。色々な県が独自のいちごの品種を作り出している時代にやよいひめは徐々に廃れていってしまう品種です。
どこに原因があるでしょうか?一番の要因は栃木県に近いことが挙げられると思います。
スーパーで「群馬県産」「栃木県産」どちらのいちごのほうが美味しいと想像しますか?
「いちご=栃木県」そういう印象って誰でも持っていると思います。同じ値段なら私は無意識に栃木県産のいちごを手に取ってしまいます。
誰にも負けないやよいひめならではの特徴がない!
次の理由はこれだと思います。最近色々ないちごの品種が出ていますが、正直言って名前が違うだけで似たような方向性のいちごはどこにでもあるんですよ。
「糖度が高くて酸味が少ないとにかく甘いタイプのいちご」「糖度が高くて酸味が高い濃いと感じるタイプのいちご」
消費者から言わせてもらえばこの2種類しかないんです。苺の味の特徴って。
やよいひめも濃いタイプのいちごに属します。名前だけちがうけれどどこにでもあるタイプのいちごなんです。
これではいちご戦国時代に勝ち抜けるはずはありません。徐々に廃れていくのも当然だと思います。
しかし群馬県はやよいひめを諦めなかった
この展開だとだいたいどこの県も諦めてしまうのです。いちご戦国時代を勝ち抜く新しい品種を作り出すか撤退するかのどちらかでしょう。
しかし群馬県は諦めません。確かに生食用では他のいちごに比べて「絶対に勝てるという要素」がない。ならば!そんな群馬県の取った行動は・・・
やよいひめのドライフルーツ化
やよいひめは果肉が硬い特性があります。やよいひめを乾燥させることで実が締まりドライフルーツに最適だったりします。
「いちごのドライフルーツといえばやよいひめ」
生食として食べるいちごでの戦いには勝てない。ならばドライフルーツとしてのいちごとしてはどこにも負けない!
この戦略はなかなか凄いと思います。いちごのドライフルーツって確かにニッチであまり大きな市場ではないかもしれません。
しかし、生食として食べるいちごという大きな市場では勝てないならドライフルーツとして食べるいちごという小さな市場でトップを狙うという姿勢はまるで鶏頭牛尾という言葉が相応しいのではないでしょうか?
諦めないで生き残る可能性を模索する。そんなやよいひめの生き残る姿勢を私はガイアの夜明けという番組で知りました。
いちごだけではなく、諦めないかぎりゼロではないのだな。と共感した話でした。
まとめ
- やよいひめは群馬県産のいちご
- 糖度が高くて酸味もあるいわゆる濃いタイプのいちご
- 名前の由来は3月(弥生)でも味が落ちないいちごという意味
- あまおう、とちおとめの勢いに負けていますがドライフルーツで巻き返しを!
ユミ
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鶏頭牛後
鶏口牛後だと思いますよ。
鶏頭牛尾と鶏口牛後に関しては本家が鶏口牛後であるのは間違いではないと思いますが、
鶏頭牛尾が完全な間違いではないと私は解釈しています。