「栗ってどのぐらいの種類があるの?」
この質問難しいですね。例えば世界四大栗と言われている種類があります。その中に日本の栗も入っているのですが、日本の栗の中でもたくさんの品種があります。
今回は世界四大栗とはどういう種類の栗があってどういう風に食べられているか?そして日本の品種はどういう種類があるのかを記事にしたいと思います。
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世界四大栗とは?
クリはブナ科クリ属の落葉・高木性の植物で原生地は北半球の温帯域を山野を中心に広く分布しています。世界には12種類程度のクリが存在しますが、果樹として栽培されている栗は4種類と言われています。
その4種類の事を世界四大栗と呼ばれているそうです。
日本グリ(和栗)
日本でよく食べられている栗のことですね。野生の柴栗を品種改良して実が大きく風味がとても良いのが特徴ですが、他の種類に比べ甘みはやや少なく、渋皮が剥がれにくく、実が割れやすいという特徴があります。
和栗の中でも品種は100種類以上あると言われています。
西洋グリ
フランス、イタリア、スペインなどヨーロッパ広域で栽培されている栗です。パリでは『マロン・ショー』と呼ばれる出店が有名で観光名所の一つだと思いますが、西洋グリを焼いて売っています。
日本の栗より実が小さく渋皮が剥きやすいのが特徴で、焼き栗にしたりマロングラッセの原料にすることが多いです。
日本国内では環境に適さないのか、栽培されていません。
中国グリ
日本では天津甘栗として有名ですね。
やや小型で渋皮も剥きやすく実はしまって割れにくいのが特徴です。世界四大栗の中でも特に甘みが強く、炒ったものを食べるのが定番ですが、硬くて調理にはあまり向かないようです。
日本ではほとんど栽培されていないのは、栗の害虫であるクリタマバチの被害を受けやすいからだと言われています。
アメリカグリ
実の品質が高く、木材としてもとても優れていた品種だったのですが、1904年に「焼き枯れ病」で壊滅してしまった為、現在では北米の一部でしか栽培されておらず市場へはほとんど流通していません。
病気に弱く日本国内での栽培は困難なようです。
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日本の和栗の品種はどのぐらいあるの?
日本には100種類以上もの和栗の品種があると言われていますが、10種類の品種で90%程度の生産量を占めています。表にしてみました。
他にもたくさんの品種があります。ぼろたんとか柴栗とかがありますね。
ぼろたんは和栗の弱点である渋皮が剥きやすくなった品種で、1991年に品種改良されて品種登録されたのは2007年ということでまだ市場には出回っていませんがいずれ上位にランクインされることはあるかもしれません。
柴栗は栗の元祖という感じで自生している栗です。北海道の一部では栽培しているところもあるようですが、基本的に市場には出回っていないようです。
日本で一番栗の生産量が多い県はどこ?
意外と栗生産量NO1の県って思いつきませんよね?表にしてみました。
栗の名産地って茨城県だったのですね。私は全く知りませんでした。茨城=納豆みたいな印象しかありませんでした・・・。
そして丹波栗で有名な京都府はこのランキング外だったりしたのは驚きでした。
早生栗の品種は?
早生栗とは8月下旬から9月下旬程度に収穫できる栗の事を言います。収穫時期がこの時期の栗は丹沢という品種がほとんどだと思いますが、それ以外にも早生種の品種はあるので是非確認してみてください。
栗には虫がよくついて食べられなくなりますが、クリシギゾウムシという虫が主な原因で栗の7,8割程度に寄生します。
卵から羽化するのが丁度10月上旬ということで早生栗は意外と虫の被害に遭いづらいという特徴はありますが、中生種や後生種に比べて甘みが少ない品種が多かったりします。
丹沢
早生栗の代表的な品種ですね。収穫時期が8月下旬で9月の頭から店頭に並びます。生産量も多いのでこの時期に売られている栗の殆どは丹沢という品種でしょう。
「乙宗」と「大正早生」を交配して品種改良された栗で、1959年に品種登録されたようです。北海道と沖縄を除く全国で栽培されていて、早生種の中では品質に優れているというのが特徴です。
国見
「丹沢」と「石鎚」を交配して品種改良された栗で1983年に品種登録されました。
甘味や風味が少なくてやや粉っぽいためあまり高品質な栗とは言いがたいですが、甘露煮などの加工用として使われることが多いです。
大峰
9月中旬あたりから出回る早生種です。実の大きさは中よりやや小さい感じでやや粉っぽい為茹でて食べるよりも加工用として使われることが多いです。
保存も結構効く方ですのが、着果過多になりやすいのが悪い点みたいですね。
出雲
9月上旬あたりから出回る早生種で、実が大きいのが特徴です。ただあまり実がならないのがデメリットですね。
山地粗放栽培に適しているため、品質は高いとはいいませんが、あまり手間がかからないのが特徴です。
中生種の品種は?
中生種の栗は早生種の栗に比べて品質が優れているものが多いです。美味しい栗を食べたかったら10月以降に出回っている栗を狙え!と言いたいところですが、虫の被害に遭っている事も多いので、どちらがいいか一概には言えません。
中生種の栗といえば、『筑波』『銀寄』『利平』と高品質な栗が目立ちます。特に利平は生産量も少ないけれど茹で栗にしたら最高品質との呼び名が高いので幻の栗と呼ばれています。
筑波
日本で一番多い生産量の品質の栗がこの筑波です。9月下旬~10月上旬が収穫時期になっているため、その時期に市場に多く出回るでしょう。
「岸根」と「芳養玉」を交配して品種改良した品種で、1959年に品種登録されたようです。
大きさは大きめ、貯蔵性は良い、加工用原料としても、そのまま茹でても美味しい。品種も高い方と良い所ばかりの品種のようで、それが日本一多く生産されている栗の所以でしょう。
銀寄
栗といったら丹波産と栗通の方なら誰しもが知っている情報ですが、丹波栗ってブランド品だったりします。代表的な品種がこの銀寄で粒が大きくてツヤがあり、甘味が強く非常に品質が高いと評判です。
9月下旬~10月上旬が収穫時期と筑波と同じ時期に市場に出回るみたいですね。
銀寄は他にも「銀由」「銀善」などと呼ばれていましたが、最近は銀寄に統一されています。
とても甘くて風味があって一見欠点がないと思われがちですが、風に弱いため落実してしまったりして収穫量が安定しないのと、保存があまり効かないのが欠点です。
ただ美味しさに関しては栗の品種の中でもトップクラスみたいです。
利平
美味しいけれど収穫量が少ないことから幻の栗と呼ばれることもあるのが利兵です。9月下旬~10月中旬が収穫時期で、中生種の中では遅くまで収穫することもあるようです。
利平は日本グリと中国グリを交配させて作ったという極めて異例の品種だったりします。中国グリの甘味を上手く引き継ぐことができ、日本でも栽培できる適性を備えることに成功したのでしょう。
茹で栗、蒸し栗にしたら利平に叶うものはいないと言われるほどの高品質で、一度は食べてみたい栗ですね。しかし実が脆い為に加工にはあまり向いていないみたいです。
晩生種の品種は?
栗が大好きな人を最後まで楽しませてくれる晩生種。遅い品種だと10月いっぱいまで収穫ができるみたいです。
品質も中生種に負けていないぐらい高いようです。
石鎚
10月上旬から中旬が収穫時期でその時期に出回る晩生種です。11月上旬まで市場に出回っている栗です。
「岸根」と「笠原早生」を交配されて改良され。1968年に品種登録されました。日本グリの中では渋皮が剥きやすく、味も悪くないので扱いやすいタイプの栗ですね。保存性もかなり効くようです。
岸根
生産量がある程度ある日本栗の中で最も遅くまで楽しむ事ができる晩生種が岸根です。読み方は「がんね」と読みます。実が大きく、貯蔵性、加工用としても適している品質が高い栗です。
10月上旬~10月下旬までが収穫時期で、市場に出回ることを考えると11月上旬まで栗を楽しむ事ができます。しかし秋の気温が平年より低いと完熟しないために品質が落ちることもあるようです。
岸根は山口県玖珂郡美和町で昔から長く栽培されてきた品種でその地の名に由来して岸根と名付けたようです。
日本一生産量を誇る「筑波」や同じ晩生種の「石鎚」の母親だったりします。
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