・まえがき
フランス料理で、夏野菜の煮込み「ラタトゥイユ」に使ったり、生でサラダとして食べたりと、今や日本の家庭にも浸透しつつあるズッキーニ。
しかも、栄養も豊富なので、今、積極的に摂る人も多いのではないでしょうか。
しかし、ごくたまに食べられないほど苦いズッキーニに当たることがあります。
その理由ってご存知ですか?
そこで、ズッキーニが苦いわけや、食べたときの体への影響、苦みを取る方法はあるのかお話ししたいと思います。
是非、参考になさって、苦いズッキーニに当たってしまった際には、注意して下さいね。
・普通のズッキーニは苦くない?
ズッキーニって、西洋版キュウリのような物だよね。
という印象を持つ人が多いと思います。
ずはりその通りで!
さっぱりした味、悪く言えば、取り立てて印象に残らない、水っぽい味と言えるでしょう。
ですから、普通のズッキーニは苦くありません。
・苦いズッキーニが食中毒になると言われる理由は?
先にお話しした通り、苦味のないごく普通のズッキーニで食中毒を起こすことはありません。ご安心を。
もちろん、腐敗してぐちょぐちょになった状態のズッキーニを食べれば、食中毒を起こす可能性が非常に高いですが、その場合は見た目や味、臭いの変化で分かりますよね。
そうではなくて、強烈に苦味のあるズッキーニを食べたときが、要注意なのです!
そのズッキーニには、「ククルビタシン」という成分が多く含まれています。この成分は、ウリ科の植物(野菜、果物)の多くに含まれており、微量なら問題がありません。大量に摂取すると、食中毒を起こすのです。
詳しい症状は、次にご説明しますね。
・苦いズッキーニを食べたら危険なの?
苦みを感じるかどうか程度なら、ククルビタシンの含有量が微量ということですから、体に害はありません。
ただ、大量に含まれている場合には、下記のような症状がで出てきます。
<食べた直後>
舌がしびれます。
<食べてから2時間以上経つと>
・手足もしびれてきたり、
・腹痛や下痢、吐き気がしてきたり、
・めまいがしてくることがあります。
明らかに危険な状態ですよね。
もしも、そのような症状が出てきたら、まずは安静にして、30分~1時間間隔で水分を摂るようにし、脱水状態にならないように気を付けます。更に症状が改善しなかったり、悪化するようなら、医療機関にかかるようにしましょう!ただ、症状が出た人が小さな子供だったり、お年寄りの場合は、その限りはありませんよ。もちろん、普段健康体の大人でも、最初から症状がひどいようでしたら、すぐにお医者さんに行って下さいね。
しかし、この苦いズッキーニによる食中毒には、速効性のある薬や治療法はありません。対処療法がメインになります。ひたすら、毒素(ここでいう、ズッキーニの苦味成分である「ククルビタシン」)が体外に出てくれるのを待つしかないのが現状です。
・苦いズッキーニは調理法で苦くなくなる?それとも食べない方が良いの?
ズッキーニの苦味は、調理法によるものではないことは、今までの説明でお分かりいただけたかと思います。
残念ながら、加熱すれば苦味が飛ぶわけでもありませんし、塩揉み等の下処理をしても、消えるわけではありません。
苦いズッキーニであることが判明したら、その時点で食べることを諦めて、破棄するしかないのです。
それならば、普通のズッキーニと強烈に苦いズッキーニの判別方法を知りたいですよね。
残念なことに、見た目に違いはないので、パッと見で区別ができません。味を確かめてみるしか方法がないのです。
そこで、ヘタの方が苦味が強いという特徴を用います。まずは、ヘタのすぐ後ろを包丁で切り、その断面を舐めてみます。ここで強い苦味が感じたら、食べてはいけないズッキーニですので、捨てて下さいね。
もしも、判別することを忘れて、調理してから苦いズッキーニであることが分かったなら、そのまま食べ進めずに、捨ててしまうのが賢明です。微量でしたら、食中毒を起こすことはないので、苦味を感じた時点で食べることを止めれば大丈夫ですよ。
・まとめ
苦いズッキーニは、実は食中毒を起こしてしまう危険なものだとお分かりいただけたかと思います。
調理法で解決できることではありません。偶然出会ってしまった、諦めて捨ててしまうしか方法がないのです。
また、ズッキーニだけではなく、キュウリやメロン、カボチャもウリ科の植物であり、このククルビタシンを大量に含む苦い作物になることがあります。その際は、もちろん食べてはいけませんよ!
ズッキーニをはじめ、ウリ科の植物で、苦いものに当たったら、くれぐれもお気を付け下さいね。
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