最近は、ラタトゥイユといった、西洋の煮込み料理でお馴染になりつつあるズッキーニですが、
その「ズッキーニ」という名称の由来や和名、その他の言語では何と言うかご存知ですか?
今回は、そのあたりをじっくり解説してみたいと思います。
これであなたも、ズッキーニ博士になれるかもしれませんよ!
・そもそもズッキーニって何語なの?
「ズッキーニ」という名称は、イタリア語のズッキーナ(zucchina)が語源だと考えられます。
実際には、イタリア語で単数形のズッキーナではなく、複数形のズッキーニ(zucchini)という単語が、誤ってアメリカに伝わり、そのまま日本に伝えられました。
そのため、日本では「ズッキーニ」という名称で、広まってしまったというわけですね。
・ズッキーニは和名(日本語)で何というの?
和名は、「つるなしカボチャ」と言います。
その名称に、カボチャという言葉が入っていることに、疑問を持つ方もいるかと思います。
それもそのはずです!
日本では、ズッキーニはその見た目から、西洋版キュウリと勘違いされがちだからです。
実は、スミレ目ウリ科カボチャ属の一年草で、カボチャの仲間になります。西洋カボチャの一品種であり、ベポカボチャの変種となるのです。
ちなみにベポカボチャとは、ハロウィーンの装飾でよく見掛ける、食用ではなくお飾り用の、それぞれ形や模様がユニークな小型のカボチャのことですよ。
以上より、ズッキーニはキュウリではなく、カボチャの仲間に属するため、その和名が付けられたというわけですね。
・ズッキーニって漢字で書くとどうなる?
ズッキーニの和名「つるなしカボチャ」には、漢字は当てられていません。
中国語では、もちろん下記の通り、漢字で表記されますよ。
西葫芦
となります。読み方は、シーフールーです。
葫芦がヘチマ(日本ではひょうたんと訳されます。)を意味するので、全体では西洋カボチャを意味します。
どうやら中国でも、キュウリではなく、カボチャの仲間であると認識されて、名付けられたことが分かりますね。
ちなみに、ズッキーニの原産地はは、アメリカ南西部からメキシコにかけてだと言われています。一説には、メキシコの巨大カボチャが先祖だとも言われていますよ。
その後、ヨーロッパに伝わり、イタリアで食用に品種改良され、現在の形となりました。
日本には1977年に伝えられ、翌年には、長野県で栽培が始まっています。今では、日本で出回っているズッキーニのほとんどが、国産で占められているのです。
・ズッキーニを他の外国語では何というの?
これまで和名、イタリア語、中国語と紹介してきました。
ここで、その他の言語では、ズッキーニを何と言うのか一挙にご紹介します!
南米では
サパージョ イタリアーノ
zapallo italiano
北米とオーストラリア、ドイツでは
ズキーニ
zucchini
イギリスでは
カージェット
courgette
フランスやオランダでは
クルジェット(そのスペルは、イギリスと同じです。)
韓国では
エホバク
애호박
となります。
ただし北米では、近似類も含めてカボチャ属の実のことをsummer squashと言い、秋冬もののカボチャをwinter squashと言い分けますよ。
同じズッキーニという野菜一つとっても、各国でスペルも読み方も様々なことが分かりますよね。
・まとめ
ズッキーニは、その和名や中国名から推測される通り、生物学的にはカボチャの仲間であることがお分かりいただけたかと思います。
味もまた、キュウリというよりナスに近く、くせのない淡白な味わいです。
ですから、生でサラダにもできる一方で、キュウリとは違い、煮込みはもちろん、焼いたり、炒めたり、揚げることもできる、万能な食材なのです。
また、その淡白な味わいからは想像もつかないような、栄養豊富な野菜です。
是非、どんどん普段の料理に取り入れてみて下さいね。
そして、名称の由来を頭に思い描きつつ、ズッキーニを食べてみると、またひと味違って感じられるかもしれませんよ。
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