「葉桜の候という時候の挨拶はいつ使う言葉?」
私はこう質問されたらまっさきに4月を想像してしまいます。桜が散ってきて葉っぱが目立ってきたら葉桜だなーと思うからです。
しかし時候の挨拶で使う葉桜の候はそういう私の季節感で使うと間違いだったりします。
時候の挨拶は季節感的には間違っていないのに作法としては間違いみたいなケースが非情に多いです。
今回は葉桜の候。
いったいいつ使うのが正しい言葉なのでしょうか?
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葉桜の候とは
読み方は
葉桜の候は「はざくらのこう」と読みます。
葉桜という言葉が馴染みある言葉なので間違える人はいないと思います。時候の挨拶は音読みが基本ということばかりきにして葉桜を「ようおう」と読もうとしない限り大丈夫でしょう。
意味は
葉桜の候は「葉桜の季節になりましたね」と言う意味になります。
葉桜って聞けばほとんどの人は意味が通じると思いますが、細かく解説すると桜の花が散って若葉が出始めた頃から深緑で覆われる時期までの桜の木の様子を指します。
使う時期は
葉桜の候は5月中に使うのが適切な時候の挨拶です。
これを知って私は「え?」って思いました。普通に考えたら4月ですよね?葉桜って。
葉桜のイメージって上図のような感じだと思います。桜の花が散りはじめてだんだん葉っぱが目立ってきている桜の木の様子。
そんなイメージがあるのですが、時候の挨拶でいう葉桜って桜の花が完全に散って新葉が生えそろう状態の事を指します。
桜の木が緑一面に染まるようになる季節。いわゆる「新緑の時期」と考えると5月なんですよね。(まあ私は新緑というイメージすら4月なんですけれど)
さらに5月ということを裏付ける話で。葉桜って夏の季語だったりします。
夏は暦の上では5月からなので(立夏から)夏の季語として昔から使われていたと言われたら納得せざる得ません。
「でも5月に使ったら、手紙を送った相手は『作法を知らないヤツ』と勘違いしそう。」
そういう心配をするなら葉桜の候は避けて「新緑の候」などを使うといいでしょう。
「4月に使う時候の挨拶だと思った」
という方は「春和の候」「陽春の候」 を使うとよいと思います。
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葉桜の候を使った簡単な文例は?
手紙の書き出しは「頭語+時候の挨拶+安否を気遣う言葉」です。
- 拝啓 葉桜の候、○○様にはその後お健やかにお過ごしのことと存じます
- 拝啓 葉桜の候、皆様におかれましたは一段とご活躍のことと拝察いたしております
- 謹啓 葉桜の候、貴社にはますますご清祥のことと存じます
手紙の書き出しだいたいこんな感じで作ればよいと思います。
まとめ
- 葉桜の候は「はざくらのこう」と読みます
- 葉桜の季節になりましたねという意味になります
- 使う時期は4月ではなく5月中です
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北海道ですとちょうどいいです。
桜も今やっと満開~散ってきた感じなので、葉桜・新緑というと5月~6月をイメージします。
昔からすると桜が早く咲くようになったので(昔は連休明けでした)そのうちイメージと合わなくなる日が来るかもしれませんが…
そうですね。北海道だと丁度葉桜というと5月がピッタリな気がします。
時候の挨拶は「何月か」と決めつけないで送り先の相手の場所を考えて選ぶと素敵だと思います。