カキツバタはアヤメ科アヤメ属の植物で、5月から6月になると紫色の美しい花をつけます。湿地に群生するのが特徴です。
カキツバタは、昔から日本人に愛されてきた日本の花でもあります。カキツバタを表現した誌や美術作品は非常に多いですよね。
江戸時代にはたくさんの種類のカキツバタが誕生し、古典園芸植物でもあるんです。歴史や美術の教科書で見たことがあるかもしれませんね。
みなさんは、このカキツバタを漢字で書くことができますか?
実はカキツバタは漢字で「杜若」「燕子花」と2通りの書き方があるのです。どうしてなのでしょうか。そしてどちらが正解なのでしょうか。調べてみたいと思います。
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カキツバタは漢字で書くと2通りあるって本当?
カキツバタの名前の由来は?
カキツバタはとてもきれいな紫色の花びらが特徴的ですよね。昔はこのカキツバタの花びらは染料として活用され、人々に親しまれてきました。
そのため「書き付けに使う花」ということで「書き付け花」となり、それがなまって変化するうちに「カキツバタ」に変化したとされています。
燕子花
カキツバタの1つ目の漢字は「燕子花」です。これは燕=ツバメが関係しています。
カキツバタの花がツバメの子どもが飛んでいる姿に似ていることから、「燕子花」という漢字になったと言われています。当て字ということですね。
カキツバヤの花言葉は「贈り物」「幸福が来る」です。贈り物にピッタリな花ですね。
これは幸せを運ぶツバメの姿に似た花だからだとされています。昔の人はカキツバタ=ツバメのイメージが強かったのですね。
ちなみに、英語ではカキツバタは「Rabbitear Iris」と呼ばれています。カキツバタの花がウサギの耳に見えることから、「ウサギの耳のようなアイリス」となったのです。
日本人は「ツバメ」、アメリカ人は「ウサギの耳」と、国によって見え方が違うのが面白いですね。
杜若
カキツバタの2つ目の漢字は「杜若」です。これは「燕子花」のような当て字ではありません。中国語からきたとされています。
しかし、興味深い事実がわかりました。中国語には「杜若」という漢字が確かにあるのですが、カキツバタを指しているわけではないんです。
中国語の「杜花」はツユクサ科の「ヤブミョウガ」のことを指すとされています。中国の古い書物には、ヤブミョウガのことを「杜若」と記しているのです。ちょっと混乱してしまいますね。
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一般的にはどちらが多く使われている?
みなさんは、カキツバタの漢字は「燕子花」「杜若」のどちらだと認識していましたか?カキツバタの漢字は「燕子花」であると思っている方が多いのではないでしょうか。
辞書やWikipediaなどにも「カキツバタ(燕子花/杜若)」と、「燕子花」のほうが先に表記してあります。
さらに尾形光琳の「燕子花図」など、古い美術品に記してある漢字も「燕子花」ですね。一般的にカキツバタの漢字は「燕子花」と言えるでしょう。
また個人的に、「ツバメの子どもが飛んでいるような花」という由来がとても美しくと思うので「燕子花」と書きたいですね。
カキツバタってアヤメと似ているけれど同じ花なの?
カキツバタは2つの漢字を持つため、混乱しやすい植物ですね。しかし、カキツバタは他にも似た姿の植物が多いことため、さらに混乱する花なのです。
カキツバタと似ていることで有名な花が「アヤメ」です。漢字では「菖蒲」と書きます。さらに「ショウブ」「ハナショウブ」という花もそっくりなんです。
詳しくはこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
アヤメとカキツバタって同じ花なの?違いと見分け方は? カキツバタの別名は2つある!「アヤメ(菖蒲)でしょ?」違います!まとめ
カキツバタの漢字を調べてみると2つの漢字がありました。しかも、全く違う意味、由来ということもわかりました。
ちょっと混乱してしまいますが、「ツバメの子どもが飛んでいる姿に似た花」だから「燕子花」と覚えましょう。
たくさんのカキツバタが咲いている風景を見つけた時には、ツバメの飛ぶ姿を思い出してくださいね。
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